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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

膵臓がんとお酒との最新知見…世界250万人のデータを解析

公開日: 更新日:

 膵臓がんは早期発見が難しく、治療も困難ながんとして知られています。したがって、予防することが何より重要です。他のがんと同じように、膵臓がんも体質と環境要因とが合わさって発症すると考えられています。それでは、何が膵臓がんのリスクになるのでしょうか?

 たばこや内臓肥満、膵臓の炎症や糖尿病などが、膵臓がんのリスクになることが分かっています。それでは、お酒と膵臓がんとの関係はどうでしょうか?

 アルコールは膵臓がんのリスクであると言われることが多いのですが、じつはあまり正確なことが分かっていませんでした。

 今年の「プロス・メディシン」という医学誌に、お酒と膵臓がんについての最新の研究結果が報告されています。

 世界中の250万人近い大規模なデータを解析したところ、お酒を飲む人は飲まない人と比較して、全体として膵臓がんになるリスクが増加していました。そのリスクは量が多いほど高くなり、1日60グラム以上(およそ日本酒3合以上)アルコールを飲む人では、膵臓がんになるリスクが、32%も増加していました。

 そのリスクは、男性では1日日本酒1.5合(30グラム)以上、女性ではより少なく1合弱(15グラム)くらいから、はっきり認められていました。お酒は適量にとどめることが、膵臓がんの予防のために大切なことであるようです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

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