三井化学が石油化学事業を分社化…その先で描くのは過剰な同業他社との再編だ

公開日: 更新日:

官界通(以下=官) 日本の「ものづくり」が中国などの追い上げで優位性が失われているなか、ようやく身を切って競争力を回復しようという動きが本格化しそうだな。

財界通(同=財) 三井化学の橋本修社長が5月30日の経営概況説明会で、石油化学事業を分社化する方向を示したことだな。

 石化事業の主力製品のエチレンは、自動車などに使われるプラスチックのもとになる重要な基礎原料だが、中国が財政支援で大規模生産を進め、安値攻勢をかけてきた。日本勢は国際価格の低下で赤字に追い込まれたが、やめてしまうと自動車メーカーや電機メーカーが中国からの供給に依存せざるを得なくなり、経済安全保障の上でも生き残り策は必要だ。

政界通(同=政) それが、分社化とどう関係するのだ?

 三井化学の分社化は、その先に同業他社の石化事業との再編を描いている。分社化は、動きやすくするためだ。

 日本の「ものづくり」は戦後、欧米と比べて賃金が安く勤勉な労働者のおかげで世界トップ級になった。だが、稼げるものだから、大半の業種で企業数が多い。かつて13もあった都市銀行が4グループに再編されたのに比べて、過剰なままだ。

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